脊柱側わん症とは

脊柱側わん症は、脊柱(背骨)が何らかの原因で曲がってしまう病気です。脊柱にねじれを伴った3次元的な変形が起こります。進行すると肋骨[ろっこつ]の変形など上半身全体の骨格の異常を招くこともあり、内臓にも影響が及びます。脊柱側わん症にはいろいろなタイプがありますが、原因がはっきりわかっていない特発性側わん症が全体の約80%を占めています。軽度まで含めると子どもの100人に1人に見られ、特に思春期(12歳前後)の女子が多く発症します。初潮の前後に発症することが多く、体の成長に伴い、進行していきます。脊柱側わん症は、わん曲の度合いによって「軽度」「中等度」「重度」に分けられます。軽度の人は多いのですが、中等度以降まで進む人はごく一部です。早く異常に気づき、適切な対処を行うためには、姿勢のチェックが大切です。「立ち姿勢のチェック」で、肩の高さ、肩甲骨、ウエストラインの左右差を見るとともに、「前かがみチェック」で、肩甲骨、肋骨、腰などの隆起の左右差を調べます。特に女子の場合は、思春期に入る少し前(9~10歳ぐらい)から、自宅で家族に見てもらうことが勧められます。

治療は重症度によって異なります。軽度の場合は外見上も大きな変形はなく、この段階では経過観察が選択されます。日常生活で定期的に姿勢のチェックを行うとともに、半年~1年に1回、医療機関でエックス線検査を受けます。中等度まで進行した場合は、コルセットを装着する装具療法が行われます。変形をそれ以上進行させないことが目的で、基本的には入浴時以外ずっとコルセットを装着します。骨の成長が止まる時期までこの治療を続け、骨の成長がおおむね止まったら、夜間のみの装着を1~2年ほど続けます。3~6か月に1回エックス線検査を受け、悪化していないか確認します。重度まで進行した場合は、手術による治療が必要になります。背骨の両側にフックやネジを固定して、ロッドという棒状の器具を使って脊柱をまっすぐの状態に矯正します。難易度の高い手術といわれていますが、技術や機械の進歩によりかなり安全に行えるようになっています。